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相続丸わかり!

相続とは

相続は人生の中で何度もあるものではありません。初めての相続が起きた時、ほとんどの方がどうしていいかわからないと思います。簡単に相続の流れを見ていきましょう。

one.お父様がお亡くなりになりました。取り急ぎやらなければならないのは
①7日以内に死亡届の役所への提出、②提出と引換えに火葬許可証の受け取り、③お葬式、④火葬・埋葬です。①~④は葬儀社が代行してくれます。

two.死亡届は死亡診断書(医師が書きます)とセットになっており、死亡診断書は原本を役所に提出するので、その前にコピーをとりましょう(葬儀社が代行してくれます)。
生命保険やマンションの団信保険の請求に必要になります。

three.葬儀費用等のために預金を下ろすこともあろうかと思います。銀行が相続を知る前はキャッシュカードや通帳でおろすことが出来ます。というのは銀行預金は亡くなった時に法定相続分だけ相続人のものになっているためです。正式に払い戻しや名義変更をする場合はお父様の出生から死亡までの戸籍謄本、また相続人全員の戸籍謄本と印鑑証明と実印が必要です(銀行への相続届の提出)。

four.遺言があった場合は(公正証書遺言でない限り)、家庭裁判所で検認を受けなければなりません。うっかり開封してしまうと5万円の過料をとられてしまいます(それで遺言が無効にはなりません)。
又、検認をしていない遺言では、遺言どおりに遺産の名義変更をする時に申請できません。

five.遺言が無い場合はお父様にどんな財産があったかわかりませんので、財産を探す必要があります。不動産の場合は権利証や固定資産税の明細から探します。銀行預金は銀行に名寄せを依頼し、お父様の全口座を出してもらうことが出来ます。株も証券会社に名寄せを頼むことが出来ます。


six.遺産分けは遺言があればその通りに分けます(少なかったり全くもらえなかった相続人は「遺留分」といって最低限もらえる権利があります)。相続人全員の合意があれば遺言と異なる分け方も可能です。

seven.遺言が無い場合は相続人全員によって行われる遺産分割協議で分けることになります。もしお父様の子供があなたと妹さんだけで、お母さんが御存命であればその3人が相続人になります(詳しい相続人はこちらへ)。その通りなのかどうか、お父様の出生から死亡までの戸籍謄本を見て相続人が誰なのかを確認する必要があります。知らない子どもが認知されていたりすればその子供も分割協議に参加しなければなりません。
   遺産分けは分割協議でもめるケースが多いですので、争いを避けるには遺言があることが望ましいです。また、公正証書遺言でない場合、遺言が無効とされるケースが約半分あると言われ、その場合ももめることになります。遺産分けで親族がもめるいわゆる「争族」は避けたいものです(そのための生前の相続対策はこちら)。

eight. お父様の遺産が、プラスの財産が残されていればいいのですが、お父様に借金(マイナスの財産)があって、プラスの財産よりも大きい場合、相続人は相続放棄をすることが出来ます(プラスもマイナスも相続しません)。また、プラスの財産の範囲内でマイナスの財産を相続する事もできます(限定承認と言います)。相続放棄、限定承認とも相続を知った日から3カ月以内に家庭裁判所に申し出る必要があります。そのため、亡くなられた方の財産の調査は早めに済ませておくことをお勧めいたします。

nine.相続税は分割された財産や遺言で受けた財産や、死亡保険金や退職金にかかるものです。相続税の申告期限は相続があったことを知った日から10カ月以内です。相続税の計算にはいろいろな特典があり、たとえば配偶者は財産の1/2か1億6千万円までは相続税がかからなかったり、自宅の土地が80%引きの評価になったりします。しかしこれらは10カ月の申告期限内に分割を終えて、申告する事が条件です。申告期限の段階では分割が終わらず未分割で申告し、その分高額な税額を払い、相続を知った日から3年10カ月までに分割を終わらせて上記の特典を受けて、多すぎた税額を返したもらうこともできますが、その間一旦納税をしなければならないので、10カ月以内に分割をまとめるのが理想的です。

onezero.以上が相続の流れですが、一番大事なのは相続した親族が仲良く暮らしてゆけるような相続にすることです。そのためには生前の相続対策として遺言を書くのも良いでしょう。また、試算をしてみて、もし相続税がかかるという場合はなるべく減らすための生前の相続対策をすることも良いでしょう。また、不動産などを相続した場合の資産運用も考えなくてはなりません。また、その後にやってくる税務調査への対応も考えておく必要があります。